掲載時肩書 | 旭化成名誉フェロー |
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掲載期間 | 2021/10/01〜2021/10/31 |
出身地 | 大阪府 |
生年月日 | 1948/01/30 |
掲載回数 | 30 回 |
執筆時年齢 | 73 歳 |
最終学歴 | 京都大学 |
学歴その他 | 北野高校 |
入社 | 旭化成 |
配偶者 | 考古学仲間(京都女子大) |
主な仕事 | 旭ダウ、導電性アセチレン、正極材料発見、小型軽量化、窯利用、デジカメ・ビデオ、リチウムイオン電池、携帯電話、フェロー就任 |
恩師・恩人 | 福井謙一、米澤貞次郎、白川英樹教授 |
人脈 | 大橋守、山邉時雄、グッドイナフ博士、遠藤守信、飯島澄男、平井靖将 |
備考 | 考古学趣味 |
「私の履歴書」で登場したノーベル受賞者は、福井謙一(1983.3)、小柴昌俊(2003.2)、江崎玲於奈(2007.1)、野依良治(2008.9)益川敏英(2009.11)、下村脩(2010.7)、根岸英一(2012.10)、大村智(2016.8)、利根川進、に次いで10人目(吉野彰)である(受賞者総数は29名)。幼少から化学に興味を持ち、小学校2,3年で塩酸から水素ガスを取り出したり、水の電気分解も試みている。また、高校時代には考古学に熱中したことで、遺跡の発掘の手法や思考法(遺跡は少しずつ掘り進め出土品から論理的に全体像を掴む方法)が、後の研究開発の思考で役だったことが多いと述べていた。
1.福井謙一教授の授業
1968年、京都大学工学部石油化学の3回生になった。福井謙一教授が3回生向けに担当した授業は異色だった。毎回、先生が質問を出し、学生一人を指名する。学生は黒板の前に立ち、板書しながら問題を解く。演習でもゼミでもないのに学生に考えさせることに力点を置いていた。私が指名される番が来た。自信を持って臨んだができなかった。この失敗を痛切に覚えているのは、何を研究するにしても基礎となる古典理論がいかに重要かを教えられたからだ。
「古典熱力学では説明できないことを量子化学では説明できる。古典熱力学を完全に理解していてこそ量子化学の神髄が分かる」。福井先生はおっしゃっていた。このことは後々、私の研究指針になった。
極端にいうと、化学とは実験をしてどんな反応が起きるか確認しなければ分からない学問だった。それが福井先生の理論により電子や原子の振る舞いを理論的に説明できるようになり、コンピュータの計算で予測可能となった。
2.シンガーソングライターと私の共通点
私が企業の研究者を志したのは、成果を製品として世に送り出せるからだった。だが、実際に入ってみると、基礎研究に携わる研究者がいかに孤独か、身に沁みてくる。テーマを着想し、会社の理解を得て、種から芽、枝や葉に育てていく。しかも果実を得るには10年以上の年月がかかる。
シンガーソングライターもお膳立てされた曲を歌うのではなく、自分で楽曲を仕上げ、世に送り出す。ひとつの曲ができる背景に、いばらの道があったのだと思って聴くと、曲に秘められた喜怒哀楽を感じることができる。松任谷由美さんや中島みゆきさん、渡辺真知子さんの他、サザンオールスターズも大好きだ。リーダーの桑田佳祐さんも自ら作詞・作曲している。湘南を舞台にした曲が多く、神奈川県藤沢市で暮らす私たち家族には歌詞の風景が目に浮かぶからだ(研究開発の苦闘の合間にカラオケで発散した)。
3.新三種の神器に
「繰り返し充電できる2次電池は電子部品の『新三種の神器』の一つだから、近い将来、世界を大きく変えることになるよ」と、1980年代の後半、私にこう励ましてくれた人がいる。その人によれば、新三種の神器は2次電池のほか大規模集積回路(LSI)、ディスプレー(表示装置)とのことだった。
これらの基幹部品を駆動させる心臓にあたるのが、2次電池である。高機能の電子機器は電力を食うので、使い切りの1次電池では維持コストが高くつく。小型・軽量でスタミナのある2次電池はまさに心臓というわけだ。
IT革命の次に環境技術の革命によって廃れていく新たな「三種の鈍器」も出てくるだろう。エジソンは白熱電球を生み出した。しかし今は、多くが発光ダイオードに置き換わった。
一方、環境技術の革命によって多くの分野で「三種の神器」も生まれてくる。電池技術分野に限定すれば、手前味噌だが新型2次電池、高電圧・大電流を制御するパワーIC、人工知能(AI)の3つだと思う。
文化勲章受章に際して 公表された肖像写真 | |
人物情報 | |
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生誕 | 1948年1月30日(76歳)[1][2] 大阪府吹田市[3] |
出身校 | 京都大学工学部石油化学科 京都大学大学院工学研究科修士課程 大阪大学(論文博士) |
学問 | |
研究分野 | 電気化学、二次電池 |
研究機関 | 旭化成 エイ・ティーバッテリー 名城大学 |
学位 | 博士(工学) |
称号 | 旭化成名誉フェロー |
主な業績 | リチウムイオン二次電池の開発 |
学会 | 日本化学会、電気化学会、高分子学会、日本学士院、Electrochemical Society[4] |
主な受賞歴 | チャールズ・スターク・ドレイパー賞(2014年) 日本国際賞(2018年) ノーベル化学賞(2019年) |
公式サイト | |
リチウムイオン電池の発明者・吉野 彰 理工学研究科教授 |
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吉野 彰(よしの あきら、1948年(昭和23年)1月30日[1] - )は、電気化学を専門とする日本のエンジニア。学位は博士(工学)(大阪大学・論文博士・2005年)。旭化成株式会社名誉フェロー。名城大学大学院理工学研究科教授。携帯電話やパソコンなどに用いられるリチウムイオン二次電池の発明者の一人。2019年10月、ノーベル化学賞受賞が決定し[5][6][7]、2019年12月10日に受賞[8]。福井謙一の孫弟子に当たる[9]。
エイ・ティーバッテリー技術開発担当部長、旭化成 イオン二次電池事業推進室長、同 吉野研究室・室長、リチウムイオン電池材料評価研究センター・理事長などを歴任し、2020年現在名城大学大学院理工学研究科・教授、九州大学エネルギー基盤技術国際教育研究センター客員教授[10]。京都大学名誉博士、岡山大学名誉博士。紫綬褒章、文化勲章受章者。
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