伊藤雅俊 いとう まさとし

食品

掲載時肩書味の素会長
掲載期間2019/03/01〜2019/03/31
出身地東京都
生年月日1947/09/12
掲載回数30 回
執筆時年齢71 歳
最終学歴
慶應大学
学歴その他慶應高
入社味の素
配偶者職場結婚
主な仕事クノールスープ、マーケ、焼立パン、マヨネーズ、冷食社長、世界展開、
恩師・恩人クレイブン
人脈江頭邦雄、香取慎吾、櫻井翔、山口範雄、伊藤雅俊、歌田勝弘、
備考
論評

1947年(昭和22年)9月12日 – )は東京都生まれ。日本の実業家。味の素株式会社・代表取締役取締役社長最高経営責任者(CEO)を経て、代表取締役取締役会長になる。公益財団法人味の素食の文化センター理事長、一般社団法人全日本・食学会名誉理事。氏がこの「履歴書」に登場する前に「味の素」から江頭邦雄氏が2006年11月に登場しているので同社からは2人目となる。私は両者のマーケッティング追及の違いを興味深く読みました。

1.商品の付加価値づけ
江頭氏は自社品の付加価値を付けるのに心血を注いだと述懐していた。その原点は、食用油脂の差別化だった。食用油脂の原料は大豆、菜種、トウモロコシ、ゴマ、紅花などいろいろあるが、サラダ油は大豆と菜種をブレンドするのが一般的だったが、トウモロコシにはコレステロールの低下作用を持つ成分が他の油脂原料よりはるかに多く含まれていることは知られていた。
そこで原料コストは高くても、健康に良いという付加価値をアピールすれば、高い値段で売れるかもしれないと考えてコーン油を製品化し、通常のサラダ油より五割高い値段で販売することで成功した。彼の「再建屋」としての評価を賭けた大勝負だったと書いている。

2.「食の楽しさ」追求
伊藤氏の場合は、同じマーケッティングでも人が豊かに生きていくために「おいしさとは何か」「お客様は商品に何を求めているのか」を考えるように心がけ、「食の楽しさ」を追求したのだった。食品部長の時、消費者に家で食べる状況を思い浮かべてもらい生活実感を持つスープのイメージ宣伝文を考案した。それが「スープは、肉や野菜などいろいろな素材を、時間をかけて煮込んで作るもの、それぞれの素材が溶け込んだおいしさと栄養で、こころと体を温めてくれる。やさしい食べ物です」となり、今でも基幹商品であるスープ商品開発の原点として現場で活用されているという。また、マヨネーズでもガリバーのキューピーと同じ土俵で戦っては価格競争の消耗戦となるため、「おいしさは素材から」として取り組む。マヨネーズの主な原料は卵、油脂、酢である。おいしい卵に必要なものは鮮度だとわかっているので、「3日以内の卵だけ使えば商品価値に差がつく」として、これを提供してくれる養鶏会社見つけ出し成功する。ところが、おいしさに差をつけるためブランド名を「ピュアセレクト」にし役員会に諮ると、ある役員が「私は反対だ!ハンコを押さない」と言われた。彼は「責任は私が取ります。ハンコを押さなくて結構です」と会社人生を賭けた気迫で押し切った。

3.世界企業に発展
うーん。みんな一度は会社人生を賭けますね。商品のよさとは、素材、デザイン、香り、味、サービスなどいろいろな要素がありますが、ヒット商品が出ると、各社の生産技術は平均して優れているためすぐ類似品が市場に出回り始めます。いかに自社商品を付加価値づけて消費者に提供できるかで、優劣が決まります。付加価値付けは、顧客ニーズや消費者動向を見極めながら、自社品の他社にない特徴をタイミングよく打ち出す必要があります。「言うは易く行うは難し」ですが、この競争で企業は日夜骨身を削っています。伊藤氏は、コーンスープ、冷凍食品、マヨネーズなどをおいしさや機能など新たな価値を吹き込み、世界企業に発展させたのでした。

いとう まさとし

伊藤 雅俊
生誕 (1947-09-12) 1947年9月12日(76歳)
日本の旗 日本 東京都中野区
出身校 東京学芸大学附属大泉小学校
東京学芸大学附属大泉中学校
慶應義塾志木高等学校
慶應義塾大学経済学部
職業 実業家
受賞 第17回環境コミュニケーション大賞
栄誉 旭日重光章(2021年)
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伊藤 雅俊(いとう まさとし、1947年昭和22年)9月12日 - )は、日本の実業家味の素・代表取締役取締役社長最高経営責任者(CEO)を経て、代表取締役取締役会長になる。公益財団法人味の素食の文化センター理事長、一般社団法人全日本・食学会名誉理事[1]

  1. ^ 全日本・食学会 組織概要
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