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欧米型の実力主義の人事制度も上から始めた。当初、人事担当が一斉に導入しようとするのをやめさせた。上にいる者が信賞必罰の範を示さなければ改革などできない。第一陣は経営幹部、次いで管理職、社員はその後だ。「偉い人たちは安全地帯にいて」と思われたら社員はついていかない。
後継者登録制度はうまくいかなかった。幹部社員に自分のポストを引き継ぐ候補を何人か選ばせるようにした。早くから幹部候補生としてさまざまな経験を積ませる趣旨であったが、人事がからむとどうしても疑心暗鬼になる。名前は公表しなくても、薄々感じて、やる気をなくす人まで出てしまったのだ。(日本経済新聞 2004.11.26)