岸惠子 きしけいこ

映画演劇

掲載時肩書女優
掲載期間2020/05/01〜2020/05/31
出身地神奈川県
生年月日1932/08/11
掲載回数30 回
執筆時年齢87 歳
最終学歴
高等学校
学歴その他
入社松竹
配偶者イヴ・シャンピ
主な仕事君の名は、にんじんくらぶ、雪国、ゾルゲ映画、国連親善大使、わりなき恋・独り舞台
恩師・恩人数学団先生、市川崑
人脈小園蓉子、吉村公三郎、若槻繁、鶴田浩二、佐田啓二、有馬稲子、久我美子、豊田四郎、池部良
備考仲人:川端康成
論評

氏は女優としてこの「履歴書」に、杉村春子水谷八重子田中絹代山本富士子などそうそうたる人物に次いで19番目の登場となった。87歳で登場の理由を考えると、他の女優に比べると仏国人(イブ・シャンピ監督)と結婚し、18年間外国で暮らし国際映画にも出演、小説や翻訳もこなす才女として評価されたからだろう。文才は早くから小説を書くことで認められていたが、晩年に「わりなき恋」を書いて、一層名声を高めた。「私の履歴書」には登場していないが、高峰秀子も20数冊の著書がある文才家でした。

1.文才:
岸の「私の履歴書」でも随所にその文才を見せるが、その一例を紹介。イブ・シャンピ監督が「『卵を割らなければオムレツは作れない』という諺がある。いろいろな国を見て、それでもやっぱり日本がいいと思ったら帰ってくれればいい」、「そんなことをしてもいいの」、「あなたは自由なんだ。拒むものがあるとすれば、それはあなた自身だけだ」、(これってプロポーズ?)、私は恋に落ちた。-この歯切れ、テンポ、いいですね。うまいなあ、と思ってしまったー

2.マル秘情報:
女優が登場すると監督や男優とのマル秘情報も暴露される。身に覚えのある関係者は戦々恐々だとも聞いていた。例えば、有馬稲子市川崑監督、佐久間良子は鶴田浩二、浅丘ルリ子は小林旭との関係である。岸(彼女)の場合は、夫イブ・シャンピのことしか書いていないが、「わりなき恋」のストーリーから考えるとキットあったように思える。

3.演技分け:
映画「雪国」で彼女が芸者駒子役のとき、シーンは台詞もなく、川を渡るだけのカットが何回やっても豊田四郎監督の気にいらなかった。その負ぶさり方が「芸者になっていない」とそっぽを向く。理由は、負ぶさり方が「新橋芸者であって、温泉芸者ではない」というものだった。この撮影が1週間続いた。その間彼女は新橋芸者と温泉芸者の違いを真剣に考え続けた。後に相手島村役の池部良(97年8月登場)が、駒子が島村に負んぶされる時、股を大きく広げて背中に被さったときだったと述懐していた。

4.離婚の原因?:
彼女の日本でのロケなど長期の度重なる不在が、夫婦間に隙間ができた第一原因だと思う。しかし、10歳の娘が父親の不倫を知り、家出して麦畑で発見されたとき、発見した親しい主婦から娘の傷心の理由を聞き、あまりのショックに彼女は体が震えたと書く。そして別居する際、義母がデザインした24人分の素晴らしい銀食器類があり、夫が「これは母が僕と恵子の結婚祝いに贈ってくれたもの。他の誰にも使わせたくない」。これを聞こえたらしい娘がつと立ってドアの外へ消えた。幼い娘がどれほど傷ついたことか?とある。そして、離婚後も両親・娘の3人が食卓を囲むときも、娘が最後まで同席することはまれだったと。父親と娘との間に深い闇があり、その闇をある程度示唆する文才を示して欲しかったと思った。

美女と才女
岸惠子
きし けいこ
岸 惠子
岸 惠子
『映画情報』1956年11月号より
生年月日 (1932-08-11) 1932年8月11日(92歳)
出生地 日本の旗 日本神奈川県横浜市
職業 女優文筆家
ジャンル 映画・テレビドラマ・舞台
活動期間 1951年 -
配偶者 イヴ・シャンピ1957年 - 1975年
主な作品
テレビドラマ
沿線地図
夕暮れて
映画
君の名は[1]
女の園[1]
『約束』
雨のアムステルダム
黒い十人の女
怪談
細雪[1]
受賞
日本アカデミー賞
最優秀主演女優賞
2002年かあちゃん
優秀助演女優賞
2003年たそがれ清兵衛
ブルーリボン賞
その他の賞
毎日映画コンクール
田中絹代賞
1991年
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岸 惠子(きし けいこ、1932年昭和7年〉8月11日[1] - )は、女優文筆家。岸恵子の表記もある。身長161 cm舞プロモーション所属。映画の代表作は『君の名は』『雪国』『おとうと』『約束』『悪魔の手毬唄』『細雪』など。

  1. ^ a b c d 別冊宝島2551『日本の女優 100人』p.14.
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