黒岩重吾 くろいわ じゅうご

文芸

掲載時肩書作家
掲載期間1995/10/01〜1995/10/31
出身地大阪府
生年月日1924/02/25
掲載回数30 回
執筆時年齢71 歳
最終学歴
同志社大学
学歴その他同志社 予
入社勧業証券
配偶者人形作家、再婚同士
主な仕事闇屋、産業新聞社、株成金・無一文、入院4年、釜ヶ崎、ナイトクラブ、水道産業新聞、社会推理、古代史、
恩師本間治夫医師
人脈源氏鶏太、松本清張、司馬遼太郎、寺内大吉、柴田錬三郎、各社編集長
備考母:クリスチャン
論評

1924年2月25日 – 2003年3月7日)は大阪生まれ。小説家。社会派推理小説、風俗小説、古代史を題材にした歴史小説で活躍した。社会企業の問題を取り上げた『真昼の罠』『脂のしたたり』などを発表、松本清張に続く社会派推理小説作家として、「現代人の孤独と陥没の意識にふれる」作品で注目された。やがて「西成モノ」を主に、金銭欲・権力欲に捕らわれた人間の内面を巧みに抉った風俗小説、普通小説作家として活躍した。 売れっ子となってからは月に七、八百枚の執筆をこなしていた。1970年代後半から、以前より関心のあった古代史を舞台にした歴史小説の執筆を始める。少年時代に百舌鳥古墳群、古市古墳群など古代史の舞台となった場所で遊んで育ち、宇陀中学では当時「わが校は日本発祥の地にある」と強調されており、また飛鳥を中心にして古墳を利用するなどの軍事練習をしていたこと、1972年の高松塚古墳壁画の発見を契機とした古代史ブームに触発されたのがあったのが執筆の動機だった

1.株安で膨大な借金、そして入院
昭和28年(1953)のスターリン暴落で完膚なきまでに叩かれ、大借金をこしらえた。何が原因かわからないが全身が動かなくなり、中之島の回生病院に4年間入院した。入院1年目は殆ど身体が動かなかった。治療法はワゴスチミンとビタミンを脊髄に注射する。週に2回ほど行われたが、注射針が太く、時々神経に触れる。そんな時は悲鳴が出るほど痛い。
 ただ時々、薬の副作用で全身が浮遊する。LSDなどの幻覚と同じ症状ではないか。様々な光の中を浮遊する感覚はまさに麻薬のものだった。昭和30年(1955)には借金取りが病院にまで来て、私は母に頼み込み、住んでいる家を売らせたのである。この年齢になっても、その時のことだけはよく思い出す。
 その年、私は完全に無一文になり相場の世界から放り出された。まさにデーモンに食い尽くされたのだ。

2.釜ヶ崎生活
無一文になった私は釜ヶ崎の生活者となったが、私はこれ以上堕ちないというどん底まで来ると胡坐をかき、すぐに慣れた。幸いその頃は夕刊紙が数紙も出ており、殆どがコントを募集していた。賞金は千円である。千円あれば当時釜ヶ崎では5日生活できた。私はいろいろな名前を使い月に、5,6千円は稼いだ。
 私は1日百円の旅館(ドヤ)に住んでいたが、あちこちに投稿した原稿で3か月間に4,5万も稼いだので、松田町の月5千円のアパートに移った。ここは娼婦やポン引き、怪しげなセールスマンなど様々な人々が住んでいた。平野線飛田駅の傍には飲み屋があり、遊郭の女以外の娼婦が集まった。私はそこで入院中に覚えたカード占いをした。占いが当たるとなると客が増える。私は漸く料金を取って占うことにした。私の占いは、「ジプシー占い」に中国の陰陽道から派生した数霊学を当てはめたものである。

3.多くの良い編集者に感謝
作家は一人で書いているが、よい編集者に励まされることによって勇気づけられる。昭和30年(1955)代の後半から40年代の末にかけて、私は気の合う編集者と会うと朝まで酒飲みし、小説を語り、人生を語った。酒場を出ると朝の光が眼に痛く、通勤する人々が別世界の風景に見えた。
 当時の戦友的な編集者はかなり出版社を去ったが、現在でも在籍し時々あって飲むのは、美濃部修(勁文社役員)、安藤満(文芸春秋社長)、横山恵一(中央公論役員)、鈴木琢二(文芸春秋役員)、杉山博(三推社社長)らの諸氏である。酔うと同年輩と思い、「年齢は同じだ」と口走り、「冗談じゃない、数歳下ですよ」と反撃を食らう。

黒岩 重吾
(くろいわ じゅうご)
Kuroiwa Jyuugo.jpg
文藝春秋社『別冊文藝春秋』第80号(1962)より
誕生 1924年2月25日
大日本帝国の旗 大日本帝国 大阪府大阪市
死没 (2003-03-07) 2003年3月7日(79歳没)
職業 小説家
国籍 日本の旗 日本
代表作 『背徳のメス』(1960年)
天の川の太陽』(1979年)
主な受賞歴 直木三十五賞(1960年)
吉川英治文学賞(1980年)
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黒岩 重吾(くろいわ じゅうご、1924年2月25日 - 2003年3月7日)は日本小説家社会派推理小説、風俗小説、古代史を題材にした歴史小説で活躍した。

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