ヘルムート・マウハー へるむーと まうはー

食品

掲載時肩書ネスレ会長
掲載期間1998/08/01〜1998/08/31
出身地ドイツ
生年月日1927/12/09
掲載回数30 回
執筆時年齢71 歳
最終学歴
独国フランクフルト大学
学歴その他スイスビジネススクールIMEDE
入社父手伝い ネスレ
配偶者教会音楽 1歳下
主な仕事ネスレ徒弟仕事、ビジネススクールIMD、ネスレ退社、コープ(スーパーチエーン)社長、ネスレ復帰、ペリエ買収、デズニー提携
恩師
人脈ヘルムート(コール、シュミット)首相、 欧州円卓会議・国際商業会議所会頭
備考父:ネスレ工場のよろずや
論評

1927年12月9日 – 2018年3月7日)はドイツ生まれ。世界最大の食品・飲料メーカー、ネスレの名誉会長。1964 年から 1980年の間、ドイツ ネスレにて様々な管理職につく。1975年にはドイツのネスレグループのトップとなる。1980年10月初め、スイス本社にてネスレ社全体のCEOとなり、取締役会のメンバーとなる。1981年の11月社外取締役会(supervisory board)の代表となる。この間、彼はネスレ社を26万人を雇用する世界最大の食品会社に育て上げた。外国人(スイス人以外)として初めて、スイスの大企業にて、これほど重要な役職と名誉を与えられたのはマウハーが初めてである。また、ヨーロッパの財界トップで構成する「ヨーロッパ経済フォーラム」の座長、スイスのビジネススクールIMDの評議員、世界商工会議所会頭などを務めた。

1.スイス・ローザンヌのビジネス・スクール(IMEDE→現IMD)から得たもの
フランクフルト大学を卒業すると、私は幹部候補生としてスイス・ローザンヌのビジネス・スクール(IMEDE)に派遣されることになった。当時IMEDEのプログラムは1コース8か月で、ネスレの社員にはさらに6週間の特別研修があった。休暇も入れると都合1年間仕事を離れられるわけで、田舎を出て以来、忙しいのが当たり前になっていた私にとっては家族とゆったり過ごせる長期休暇を貰ったような気分だった。宿題は多かったが、学生と会社員の二重生活を送っていたころを思うと全く気にならなかった。
 IMEDEの教授陣は殆どがハーバード大からの派遣だった。講義は財務、会計、貿易、生産など経営のあらゆる分野にわたっており、授業の7,8割はその頃米国で一世を風靡していたケーススタディ方式で行われた。実務を重視した米国風の経営学は大変役に立ったが、IMEDEで何より印象深かったのは、ここで出会った国際性だ。同級生は54人で、出身地は英国からエジプト、ベトナムと世界中に広がっていた。教授も含め、これまで目にしたこともない異文化の融合がそこにあった。初めて聞く言葉、想像もしなかった物の見方、こうした国際的な環境に接したことが、私のその後の生活にも大きな影響を与えたと思う。

2.株式公開
ネスレは80年代末まで、外国人投資家には記名株式を公開しない、いわば“国内資本限定主義”をとっていた。当時はスイス企業の殆どがこうした資本構造だった。永世中立国としてのスイスの国際的立場を経済面でも守るというのがその理由で、戦火が絶えなかった欧州大陸のど真ん中に位置する小国ならではの体制だ。スイスの特殊性はその歴史を考えればある程度理解できる。しかし、「世界に向けた体制が必要」として、88年11月17日、ネスレ経営会議はスイス証券取引所で外国人への記名株公開を発表した。
 翌年5月の株主総会では、外国人への記名株譲渡を制限する権利を放棄する代わりに、個人、法人に関わらず、投資家の記名株保有の上限を原則3%にとするなど、幾重にも買収防止の安全弁を盛り込んだ定款の修正を決議した。資本構造はオープンにしても、スイス企業の「中立性」は崩さない工夫だった。

3.飲料水ビジネス
ペリエ買収は決して思い通りに進んだとは言えないものだったが、ネスレはこれで世界の15%の市場を握る最大の飲料水メーカーになった。この理由はいくつかあるが、まず、人間はだれも毎日2リットルの水分を必要とする。一方、先進国では財政再建の要請でアルコールへの課税が強化されているうえ、健康志向からアルコール消費量自体が減っている。一方、ダイエットの流行でカロリーの高いソフトドリンクは敬遠され、結局ミネラルウォーターが利を得る流れになっている。
 また、地域によっては環境汚染で水道水が飲料用に適さなくなっているばかりでなく、飲料水自体の味を問題にする、いわば嗜好品として水をとらえる傾向も強まった。何より地球規模で見れば飲料に堪える水の絶対量が不足しているのだ。ミネラルウォーターの需要は黙っていても増える仕組みなのだ。

ヘルムート・マウハー(2007年)

ヘルムート・マウハー(Helmut Maucher、1927年12月9日 - 2018年3月7日)は、世界最大の食品・飲料メーカー、ネスレの名誉会長。

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